英国政府は19日、石油・ガス採掘の許可を巡る環境影響評価について、新たなガイダンスを公表した。昨年の最高裁判所の判決を受けたもので、採掘された石油・ガスが最終的に燃料として使用された際の、温室効果ガスの影響も考慮すべきだと明示した。
このガイダンスは、すでにライセンスを取得済みの石油・ガス田で採掘の許可を得るための環境影響評価を対象とするもの。今後は、生産段階の温室効果ガス排出量だけでなく、取引先や顧客による間接的な排出量である「スコープ3」まで含めて検討する必要がある。
最高裁は昨年6月、ロンドン・ガトウィック空港近くの油井開発を巡り、燃料として使用された際の間接的な排出量も環境影響評価に含めるべきだとする判決を下した。これ以降は開発許可の申請が停止されていたが、政府が今回、立場を明確にしたことで、再び申請が可能となった。
スコットランドの民事控訴院は今年1月、英石油大手シェルによる英領北海のジャックドー(Jackdaw)・ガス田およびノルウェー同業エクイノールによるシェトランド諸島沖のローズバンク(Rosebank)油田の開発について、政府が与えた許可は違法だと判断。使用時の環境への影響を考慮した上で改めて政府の承認を得るまで、採掘を行わないよう命じていた。[環境ニュース]
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