英政府は12日、スコットランド北東部セントファーガス(St Fergus)での二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)プロジェクト「エイコーン(Acorn)」に2億ポンドを拠出すると発表した。11日に公表した歳出見直し案の一部で、国内でCCS事業を加速させ、2050年のネットゼロ目標達成に弾みをつける狙いがある。
政府は併せて、イングランド北東部ハンバー(Humber)でのCCSプロジェクト「バイキング」にも支援を行う方針を明らかにした。具体的な投資額は提示していないが、両プロジェクトで合わせて年間最大1,800万トンのCO2を回収できるとの見通しを示している。また、エイコーンで1万5,000人、バイキングで2万人の雇用創出が見込まれる。
エイコーンは、エディンバラ西郊グランジマス(Grangemouth)で回収したCO2を北海の海底に貯留するもの。CCSプロジェクトを手がける英国のストレッガ(Storegga)、石油大手シェル、独立系石油・ガス会社ハーバー・エナジー、天然ガスの輸送・処理大手ノース・シー・ミッドストリーム・パートナーズ(NSMP)の4社が共同で行う。
政府は向こう5年間の歳出見直し案で、CCS分野に94億ポンドを投じることを決めている。CCS事業は30年代に最大5万人の雇用を支えると試算されており、ミリバンド・エネルギー安全保障・ネットゼロ相は、「政府の支援によりスコットランドとハンバー地域の産業再生が促進され、数万人の高技能職の雇用が生まれる」と述べている。[環境ニュース][労務]
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