英国のエネルギー業界の監督機関Ofgemが、再生可能エネルギーの送電網接続の迅速化に向けた改革案を承認した。現行のいわゆる「先着順」での接続から、重要なプロジェクトを優先するシステムに変更する。再生可能エネルギーの導入を加速し、2030年までに電力部門を脱炭素化するという政府目標の達成を支援する。
今回の改革案は、国営の電力系統管理会社ナショナル・エネルギー・システム・オペレーター(NESO)が昨年12月、エネルギー業界と共にまとめたもの。英国では、接続待ちの状態にあるプロジェクトの件数が過去5年で10倍に増加しており、最長15年の待機が必要なケースもある。これを発電容量にすると計750ギガワット超で、30年までに必要とする容量の4倍に匹敵する。
Ofgemは、脱炭素化に貢献するプロジェクトや準備が完了しているプロジェクトを優先的に処理することで、エネルギー転換を後押しできると説明。今回の改革により複数のプロジェクトが年内に送電網に接続され、26年にも電力供給を開始できるとの見通しを示した。
政府はこの改革で、25~30年にかけて年間平均400億ポンド規模の投資を呼び込むことができるとの試算を公表。英国ではクリーンエネ分野への民間投資が加速しており、これまでに発表された案件の投資額を合わせると437億ポンドになるという。[環境ニュース]
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