米国のトランプ大統領は2日、全ての貿易相手国を対象とする相互関税の発動を発表した。欧州連合(EU)には20%、英国には10%の関税が課される。トランプ氏は輸入自動車への25%関税も予定通り3日に発効するとした上で、「経済的な独立宣言だ」と表明。しかし、専門家や金融機関などは米国内外の景気後退を招くと指摘している。
ホワイトハウスは国・地域別の関税率一覧を公表。一律10%の基本関税に加え、各国・地域が米国に課す関税や非関税障壁を踏まえて税率を調整したとしているが、米政治メディアのポリティコ(Politico)は税率の算出方法について、各国に対する貿易赤字額を輸入額で割った単純な計算によるものだと報じている。基本関税は5日、上乗せ分は9日に発効する。
トランプ氏は、米国がこれまで世界各国から貿易で不当な扱いを受け、巨額の貿易赤字につながったと指摘。相互関税により米国での生産を促し、国内雇用の確保するとしつつ、「きょうは長い間待ち望んだ解放の日だ。4月2日は永遠に記憶に残るだろう」などと述べた。
相互関税の発表を受け、世界中から非難の声が上がっている。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「不確実性のスパイラル」を引き起こすと主張し、「世界経済は大きな打撃を受ける」と述べた。EUとしてまとまって交渉を継続する構えだが、改めて対抗措置に言及した。トランプ氏と良好な関係を築くイタリアのメローニ首相も「EUへの措置は誤っており、どちらの利益にもならない」と批判。貿易戦争の回避に取り組むとした。
英国は一律の基本関税措置にとどまった。BBC電子版によると、首相官邸の関係筋は「最近の努力のたまものだ」と胸をなで下ろした一方、スターマー首相は米国との貿易協定締結に向け、「戦う用意がある」と語った。
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