欧州連合(EU)とインドは年内に自由貿易協定(FTA)の締結を目指すことで合意した。インドを訪問中の欧州委員会のフォンデアライエン委員長が2月28日、同国のモディ首相との共同記者会見で明らかにした。トランプ米政権の計画する追加関税により対米貿易の冷え込みが懸念される中、期限を区切って協議を本格化する。
フォンデアライエン氏は、欧州委員長として2期目の最初の外遊先としてインドを選んだ。モディ首相との会談では、経済成長や技術分野、安全保障で協力関係を強化させていくことで一致している。
EUとインドの貿易高は2024年に1,200億ユーロとなり、過去20年で3倍に拡大した。昨年10月には同国で事業展開するEU企業6,000社を取りまとめる在インド欧州ビジネス連盟(FBEI)が発足するなど、経済関係が進展している。
EUとインドは技術分野では、太陽光発電やグリーン水素などのクリーンエネルギーや、人工知能(AI)をはじめとするデジタル技術、第6世代(6G)移動通信システムの開発などで連携していく方針を示した。
EUは07年にインドとのFTA交渉を始めたが、13年に一度停止。22年6月に協議が再開された。BBC電子版によると、次回の交渉ラウンドは3月に予定されている。
インドは昨年3月、欧州自由貿易連合(EFTA)に加盟する欧州4カ国と貿易経済連携協定(TEPA)を交わした。EFTAは、EU非加盟のノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン、スイスの4カ国で構成される。また、インドは英国ともFTA交渉の再開で合意している。
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