英国の資源大手アングロ・アメリカンは18日、ブラジルのニッケル事業を中国五鉱集団(ミンメタル)傘下MMGのシンガポール子会社に売却することで合意したと発表した。取引額は最大5億ドル。当局の承認などを経て、2025年第3四半期(7~9月)の取引成立を見込む。
アングロ・アメリカンはまず、MMGから3億5,000万ドルを現金で受け取る。MMGはこれに加え、買収する事業の向こう4年間の業績に応じて最大1億ドルを追加で支払うほか、計画中のプロジェクトの最終投資判断が下れば、最大5,000万ドルを上乗せする取り決めだ。
アングロ・アメリカンのブラジルのニッケル事業は、バロ・アルト鉱山(Barro Alto)とニケルランジア(Niquelandia)鉱山、フェロニッケルの加工プラント2カ所、新規開発を計画しているプロジェクト2件で構成される。24年のニッケル生産量は3万9,400トンだった。
アングロ・アメリカンは昨年5月、オーストラリア同業BHPグループによる買収を回避するため、事業再編に着手した。これまでに、石炭事業の売却や傘下のプラチナ鉱山会社アングロ・アメリカン・プラチナム(アムプラッツ、南アフリカ)の株式放出を発表。また、ダイヤモンド事業を手がける傘下のデビアス(De Beers)・グループの売却またはスピンオフ(事業の分離・独立)を模索している。
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