米国のトランプ大統領が10日、米国に輸入される全ての鉄鋼・アルミニウム製品に25%の関税を課すと正式に発表したことを受け、ドイツ鉄鋼連盟(WV Stahl)のグンナー・グローブラー会長は同日声明を発表した。「ドイツと欧州連合(EU)の鉄鋼業界にさまざまな形で打撃を与えることになり、タイミングが悪い」と述べ、「EUが団結し、計画的かつ迅速に行動することが重要だ」と訴えた。
米国はEUの鉄鋼業界にとって最重要市場で、EUからの鉄鋼輸出全体の約20%が米国向け。うちドイツは特殊鋼を中心に、年間約100万トンを米国に輸出している。
米国は関税免除などの例外措置は設けない方針で、世界の鉄鋼輸出先が米国から欧州にシフトすることも想定される。グローブラー氏は、すでに中国から安価な鉄鋼が流入している中、欧州市場における競争がさらに激化すると危機感を示し、EUに、セーフガード(緊急輸入制限)措置の強化に向けた取り組みを早急に進めるよう求めた。また、鉄鋼分野における協定締結に向け、米国と協議することも要望した。
グローブラー氏は鉄鋼大手ザルツギッター(Salzgitter)の最高経営責任者(CEO)。[EU規制]
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