自動車用の軸受けなどを手がけるドイツのシェフラー(Schaeffler)は27日、オーストリアと英国でそれぞれ工場を閉鎖すると発表した。11月初めに発表した事業の構造改革の一環。両工場では原材料費の高騰や過剰生産などが課題となっており、欧州内外の他拠点に機能を集約する。
閉鎖するのは、オーストリア東部ベルンドルフ(Berndorf)の軸受け工場と英イングランド中部シェフィールドのクラッチ工場。ベルンドルフについては、原材料費やエネルギー価格、人件費が急激に上昇したことが原因で、シェフィールドは、世界的な需要の減少を受けて過剰生産となっていたことが原因だという。
ベルンドルフの機能はコスト効率の高いスロバキアとルーマニアで引き継ぎ、シェフィールドについては欧州内外で引き受けるとのみ説明した。いずれも人員削減は避けられないとみられる。
シェフラーは、第3四半期(7~9月)の営業利益がほぼ半減したことを受け、構造改革を発表した。その中で、欧州で3,700人の人員削減を計画していると明らかにした。ドイツの同業ロバート・ボッシュも、最大5,550人の削減を計画している。より安価な中国メーカーとの競争や、需要低迷に悩む独自動車業界の苦境が改めて浮き彫りになっている。[労務]
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