英国政府は4日、国境警備隊に7,500万ポンドを追加拠出すると発表した。英仏海峡経由の不法移民の削減に向け、密航業者の摘発を強化する狙い。既存の予算と合わせて向こう2年間で1億5,000万ポンドを投じて、捜査官を増員し、最新の監視機器を導入する。
スターマー首相はこの日、スコットランドのグラスゴーで開かれた国際刑事警察機構(インターポール)の会合で、この措置を発表。「密航組織に対してテロ対策の手法を適用する」と述べ、警察と国境警備隊、情報機関の連携を深める方針を示した。
政府は今後、国家犯罪対策庁(NCA)に最新のデータシステムを導入し、欧州諸国との連携を強化する。国境警備隊を300人、NCAの捜査官を100人それぞれ増員する。また、主要警察部隊からの情報を一括管理する新情報部門を設置。公訴局の権限を強化し、国際組織犯罪の起訴を迅速化する。国境警備隊が密航業者の組織犯罪を摘発できるよう、法改正で権限を強化する。
今年に入り英仏海峡経由で英国に到着した不法移民は2万7,500人と、前年同期を上回っている。スターマー首相は就任直後に、前保守党政権が進めていた不法移民のルワンダ移送計画を撤廃。不法移民対策では、密航業者の摘発と各国との連携強化に注力する方針を打ち出していた。
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