英豪資本の資源大手リオ・ティントは7日、米国のリチウム生産大手アルカディウム(Arcadium)・リチウムと買収交渉を進めていると発表した。実現すれば、業界としては少なくとも過去10年で最大の取引となり、リオが原材料生産者として世界最大手となる可能性がある。
リオは提案に法的拘束力はないとしつつ、声明で「更新されるまでこれ以上コメントはしない」と述べた。
フィナンシャル・タイムズによると、世界の鉱業界はエネルギー転換に不可欠な原材料を確保するために競っている。特に電気自動車(EV)バッテリーの主要部分にはリチウムが必要とされるが、リチウム価格は供給過剰により今年に入って急落。発表前のアルカディウムの時価総額は33億ドルで、年初から60%ほど下落している。
アルカディウムの株主である豪資産運用会社ブラックワットル・インベストメント・パートナーズはフィナンシャル・タイムズの取材に、買収は「リチウム価格の低迷に乗じる日和見主義的な動きではないか」との見方を示した。
アルカディウムは1月、豪オールケムと米リベントが対等合併して設立。当初の時価総額は106億ドルに達した。2027年までに世界3位のリチウム生産者になると予測されており、顧客には自動車メーカーの米テスラや独BMW、トヨタ自動車などが名を連ねる。[環境ニュース]
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