米国の金融情報サービス大手S&Pグローバルは22日、8月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が51.2となったと発表した。7月から1ポイント上昇し、過去3カ月で最高となった。景気の「改善」と「悪化」の境目である50は6カ月連続で上回っている。
ユーロ圏の製造業PMIは45.6と、前月から0.2ポイント下向き、過去8カ月で最低となった。生産高は17カ月連続で縮小。雇用者数は大幅に減少した。仕入れ価格の上昇は前月に続き加速した。サプライヤーの納期遅れは7カ月連続で改善している。
製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは42.1と1.1ポイント低下し、過去5カ月で最低。フランスは1.9ポイント下がり42.1と、過去8カ月で最も低かった。
ユーロ圏総合指数のうち、仕入れ価格の上昇率は過去8カ月で最低だった。一方で、出荷価格の伸びは加速した。新規受注は3カ月連続で悪化し、景況感は今年に入り最も低かった。
■サービス業は改善
ユーロ圏のサービス業PMIは53.3と、7月から1.4ポイント上昇。過去4カ月で最高だった。国別ではドイツが51.4で1.1ポイント下向いた。フランスは4.9ポイント上昇して55だった。
ハンブルク商業銀行(HCOB)のサイラス・デラルビア首席エコノミストは、ユーロ圏PMIの上昇について「ファンダメンタルズは不安定だ」と指摘した。フランスのサービス業がパリオリンピック(五輪)効果で活気づいたことで、全体を押し上げたとの見方を示し、「勢いが今後数カ月にわたり持続するかは疑わしい」と述べた。さらに「製造業の苦境が、サービス業に重くのしかかるのは時間の問題だ」と懸念を示した。
■英は上昇
8月の英国の総合PMI(速報値)は53.4と0.6ポイント上昇した。分岐点は10カ月連続で上回っている。雇用創出率は過去14カ月で最高だった。製造業の生産高は大きく伸びた。
製造業PMIは52.5と0.4ポイント上昇。過去26カ月で最高だった。サービス業PMIは53.3と0.8ポイント上がっている。
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