英国の水道業界の監督機関Ofwatは6日、同国の水道最大手テムズ・ウオーターなど3社に合わせて1億6,800万ポンドの制裁金を科す方針を明らかにした。排水処理と下水道網の管理に問題があったため。併せて、3社に法規上の義務を順守するための是正措置を講じるよう命じることも提案している。
制裁金の内訳は、テムズ・ウオーターが1億400万ポンド、ヨークシャー・ウオーターが4,700万ポンド、ノーサンブリアン・ウオーターが1,700万ポンド。Ofwatは最大で売上高の10%の制裁金を科すことができるが、テムズ・ウオーターの額は売上高の9%に相当し、上限に近い水準となった。
Ofwatは今回の問題を巡り、2022年に法的調査を開始。3社は未処理の排水を日常的に河川や海に放出していたほか、排水処理施設や下水網の適切な管理および投資を怠っていたことが判明した。法規では、未処理の排水を河川や海に放出できるのは、暴風雨などのために下水道が氾濫する恐れがあるといった例外的な場合に限られている。
Ofwatのデビッド・ブラック最高経営責任者(CEO)は、「制裁金の水準は違反の重大性を反映している。同時に、河川の浄化に向けて事業者が確実に行動を起こすよう促す意味合いもある」とコメントした。
各社は制裁金を顧客に転嫁することはできない。また、対策のために追加の投資が必要な場合も、それを理由にした料金の引き上げは認められない。
Ofwatはイングランドとウェールズの上下水道事業者11社全てを対象に調査を進めており、残る8社についても来年までに新たな情報を発表する予定だ。[環境ニュース]
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