英政府が掲げる2030年までの再生可能エネルギー目標の達成には、480億ポンドの追加投資が必要になる――。エネルギー分野のコンサルティング会社コーンウォール・インサイトが、22日発表したリポートでこうした見方を明らかにした。
政府は30年までに、国内の総発電量に占める再生エネの割合を昨年の34.3%から67%に引き上げ、電力部門を完全に脱炭素化する目標を掲げる。これに向け、同年までに陸上風力発電を2倍、太陽光発電を3倍、洋上風力発電を4倍にそれぞれ増やす計画で、180億ポンドの投資を想定する。
ただ、コーンウォール・インサイトの分析では、現在のペースでは30年時点での再生エネ比率は44%にとどまる。このため、政府目標に対し、承認プロセスの迅速化や補助金の拡大など再生エネ発電設備の開発加速に向けた政策を加速させるよう求めている。
また、再生可能エネは天候に左右されるため、既存のガス火力発電施設を水素発電に切り替える、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)施設の建設といった、再生エネ以外の手段も必要になると指摘する。さらに、再生可能エネルギーの差額決済契約(CFD)制度をより魅力的にするなどの対策を打たなければ、目標達成は困難と警告している。[環境ニュース]
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