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英、次世代核燃料施設を建設へ=欧州初

英政府は8日、欧州初の高品位低濃縮ウラン(HALEU)生産施設の建設に約2億ポンドを投資すると発表した。2031年の生産開始を目指す。次世代原子力発電所の燃料となるHALEUを国内外に供給することで、核燃料市場におけるロシア支配を制し、エネルギー安全保障を強化する狙い。

新施設は、ウラン濃縮を手がけるウレンコがイングランド北西部のカペンハースト(Capenhurst)濃縮施設内に建設する。総工費のうち1億9,600万ポンドを政府が拠出し、残りはウレンコが負担する。新施設では、400人の高技能職員が雇用される見込み。

ウレンコは英国に本社を置き、英政府とオランダ政府、ドイツの民間電力会社2社の合弁持ち株会社がそれぞれ33.3%ずつ出資する。

ロイター通信によると、HALEUは世界各地で建設が進む先進原子炉の燃料となるが、現在これを商業生産するのは、ロシアの国営原子力企業ロスアトム傘下でウラン濃縮を手がけるテフスナブエクスポルトのみ。ロシアのウクライナ侵攻を受け、欧米諸国がロシア産エネルギーの使用削減に取り組む中、米国の同業セントラス(Centrus)・エナジーがHALEUの試験生産を開始したほか、フランスの核燃料サイクル会社オラノ(旧ニューアレバ)も米国での生産を検討している。

HALEUはウランの濃縮度が最大20%と、既存の原子力発電所向け各燃料の約5%と比べて高い。

なお、英政府はこの日、最大6億ポンドを投じて核融合発電施設を建設する計画も明らかにした。イングランド中東部ノッティンガムシャー州の旧石炭火力発電所の跡地に商業化可能なプロトタイプを建設する予定で、近く建設・エンジニアリング企業の入札を実施するとしている。


関連国・地域: 英国ドイツフランスオランダロシア米国
関連業種: 建設・不動産電力・ガス・水道マクロ・統計・その他経済

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