欧州委員会は4月30日、航空会社20社の環境関連の取り組みの説明が「グリーンウォッシング」に当たる可能性があるとして、警告を送付したと明らかにした。欧州連合(EU)加盟国の消費者保護当局から成る消費者保護協力(CPC)ネットワークおよび欧州32カ国の46団体で構成される欧州消費者機構(BEUC)と共同で調査を進めており、航空各社に対して、30日以内に是正に向けた措置の具体案を提示するよう求めている。
20社の社名は明らかにしていないが、調査にはベルギー、オランダ、ノルウェー、スペインの消費者保護当局が関わっている。欧州委と各国当局は、航空各社が顧客に対し、追加料金を払うことで航空便の利用による二酸化炭素(CO2)の排出を削減もしくは相殺できると説明していることを問題視。航空各社は、気候変動対策プロジェクトやグリーン燃料の費用といった名目で、こうした追加料金を徴収しているという。
また、持続可能な航空燃料(SAF)は環境への影響がゼロではないが、そのことを明記せずに、環境対策としてSAFの使用をアピールしている点や、検証可能な目標を示さずにネットゼロへの取り組みを主張していることなども、グリーンウォッシングに当たる可能性があるとしている。
航空各社は期限内に是正案を提出しなかった場合、消費者保護当局によって制裁を科される可能性がある。
航空会社のグリーンウォッシングを巡っては、3月にオランダの裁判所が、フランス・オランダ資本の航空大手エールフランスKLM傘下のKLMオランダ航空の環境広告に違法判決を下した。また昨年12月には、英広告基準審査委員会(ASA)が、ドイツのルフトハンザ航空とエールフランスKLM傘下のエールフランス航空、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のエティハド航空の広告を禁止している。[EU規制][環境ニュース]
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