イスラエルのエネルギー企業デレク(Delek)・グループ傘下の石油・ガス探査会社ニューメッド・エナジー(NewMed Energy、旧デレク・ドリリング)は13日、英国の石油大手BPとアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)による買収提案について、協議を一時中断すると明らかにした。地政学的不安が理由としている。
ニューメッドは株主向けの声明で、「不透明な外部環境を受け、この取引に関する協議を中断することで合意した」と発表。ADNOCとBPによるコンソーシアムは依然として買収に関心を示しているが、将来的に協議が再開されるかどうかなどは不明だという。取引に進展があった場合は適宜報告するとしている。
BPとADNOCは昨年3月、ニューメッドの株式50%取得に向けて合弁会社を設立。買収額は20億ドル規模で、実現すれば同社を非公開化し、石油・ガス開発事業などで協力する方針を掲げていた。ただ、昨年10月7日以降のガザ紛争と周辺地域への影響拡大を受け、協議は膠着(こうちゃく)状態にあった。
ニューメッドは、東地中海の巨大ガス田「リバイアサン(Leviathan)」の権益45.34%を保有する。同ガス田は2019年末に商業生産を開始し、年産量は120億立方メートルを誇る。
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