米国の自動車大手フォード・モーターは、ドイツ南西部ザールルイ(Saarlouis)工場で来年に約3,500人を削減することで、同国最大の労働組合である金属産業労組IGメタルと合意した。IGメタルが7日に明らかにした。
人員削減は、来年予定される小型車「フォーカス」の生産終了後に実施される。今回合意した労働協約では、同モデルの生産終了後も約1,000人の雇用を維持し、2032年まで強制的な解雇は行わないことになっている。従業員は、十分な資金が用意された退職プログラムで早期退職できるほか、転職の際にも資金が提供される。
IGメタルは、22日にこの協約の受け入れの是非について組合員による投票を実施し、過半数が支持すれば29日に協約が発効する。
フォードは欧州で電気自動車(EV)と小型商用車に集中する計画だが、EVの生産拠点はドイツではなくスペイン東部バレンシア州のアルムサフェス(Almussafes)工場とすることを決めた。ザールルイ工場については、昨年6月に匿名の投資家と暫定的な売却契約を締結したものの、10月に交渉は決裂していた。[労務]
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