ドイツの鉄道運転士労組GDLは10日未明、3日間の全国的なストライキを開始した。ドイツ鉄道(DB)との団体交渉に進展が見られないためで、長距離列車や地域列車の大半が運休となる見込み。数十万人に影響が出る見通しで、DBは不要不急の利用を控えるよう呼びかけている。
ストは10日午前2時(現地時間)から12日午後6時まで実施される。長距離列車は通常ダイヤの約2割で運行し、地域列車も大幅な間引き運転となる。貨物列車の運転士はこれに先立ち、9日夕方からストに突入している。
GDLは、インフレ手当3,000ユーロのほか、少なくとも月額555ユーロの昇給、労働時間の週38時間から35時間への短縮などを要求している。DBはGDL対し、「全ての要求が通らなければストに踏み切るというのは、賃金交渉のやり方ではない」と非難。交渉の継続や条件の妥協を訴えている。
DBは先に、フランクフルト労働裁判所にスト差し止めの仮処分を申し立てていた。同裁が9日にストを容認する決定を下したため、GDLはストに突入した。
ドイツでは8~12日にかけて、農業生産者による全国的な抗議活動も行わている。政府が発表した農業生産者向け燃料補助の段階的な縮小に反発し、各地の高速道路をトラクターで閉鎖。GDLのストと併せて、国内の交通網に大きな混乱が生じている。[労務]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。