フランスのマクロン大統領は9日、辞任したボルヌ首相の後任としてアタル国民教育・青少年相(34)を任命した。近代フランスで最年少の首相となる。
アタル氏は2018年、国民教育・青少年相付の大臣補佐に就いた。政府報道官や公会計担当相を経て、昨年7月に国民教育・青少年相に就任。世論調査でも人気が高い。同性愛者であることを公表しており、こうした首相は初となる。
マクロン氏は今回の起用に当たり、自身が進める再活性化や再生のプロジェクト遂行に向け、アタル氏のエネルギーと献身が頼りになると期待を寄せている。
一方、過去20カ月にわたりマクロン政権を支えてきたボルヌ氏は、8日に辞任した。同政権を巡っては、昨年12月に移民規制の厳格化を巡り与党・再生(旧共和国前進)から多くの議員が造反するなど、混乱が広がっている。
マクロン氏は22年の大統領選挙で再選を果たしたものの、年金改革に対する抗議デモや、国民議会(下院)での与党連合の議席数の過半数割れに苦慮してきた。欧州議会選挙やパリオリンピック(五輪)を控える中、求心力の回復を求め、近く大規模な内閣改造に踏み切るとみられている。
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