欧州連合(EU)理事会は2023年12月30日、ルーマニアおよびブルガリアに対し、シェンゲン圏との空路・海路の国境検査を撤廃することを承認した。今年3月31日から適用する。シェンゲン圏の拡大に反対していたオーストリアが容認に転じたことを受けたもので、今後は陸路の国境検査の撤廃に向けた協議を続ける。
ルーマニアとブルガリアは07年のEU加盟後、10年以上にわたりシェンゲン協定への加盟を求めてきた。だが、両国の汚職や組織犯罪、国境管理に対する取り組みが不十分だとして一部加盟国がこれに反対。オーストリアは、両国の加盟による移民の流入を懸念している。
シェンゲン協定は、圏内で国境を越えた移動の自由を認めるもの。現在は、ルーマニアとブルガリア、アイルランド、キプロスを除くEU加盟国23カ国に、ノルウェーとスイス、アイスランド、リヒテンシュタインを加えた欧州27カ国が加盟する。
EU理事会は22年、23年からクロアチアがシェンゲン協定に加盟することを承認。だが、ルーマニアとブルガリアの加盟はオーストリアなどの反対で拒否された。[EU規制]
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