欧州連合(EU)理事会と欧州議会は7日、「建物エネルギー効率指令」の改正案で暫定合意した。域内のすべての建物からの温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロ化する狙いで、暖房用ガスボイラーの使用は40年までに段階的に廃止される。
化石燃料の冷暖房への使用は段階的に縮小し、40年には完全に廃止する。化石燃料を使用するスタンドアローン型ボイラーの設置への補助金は、25年1月1日付で禁止される。
加盟各国は、既存の住宅用建物の一次エネルギー使用量を30年までに16%、35年までに20~22%削減するための計画立案を義務付けられる。住宅以外では、エネルギー効率が下位16%の既存の建物を30年までに改修し、33年までには下位26%を改修する必要がある。
新築の建物については住宅・非住宅とも、30年以降は化石燃料からの排出量をゼロとすることを義務付ける。同年以降に新築される建物には、屋根上型の太陽光パネルの設置を原則義務づける。
建物は、EUのエネルギー消費量の40%、温室効果ガス排出量の36%を占める。欧州委員会は21年12月、EUの温室効果ガス排出量を30年までに1990年比で55%削減する目標に向けた政策パッケージ「フィット・フォー55」の一環として、建物エネルギー効率指令の改正案を打ち出していた。同改正案は今後、EU理事会と欧州議会での正式承認を経て発効する。[環境ニュース]
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