ドイツ連邦カルテル庁は7日、独自動車部品大手ロバート・ボッシュと独半導体大手インフィニオンテクノロジーズ、オランダのNXPセミコンダクターズの3社が、ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の欧州子会社ESMCに出資することを承認すると発表した。ESMCは、ドイツ東部ドレスデンに欧州初の工場を建設する計画で、来年後半に着工し、2027年末までの生産開始を目指している。
3社はESMCにそれぞれ10%出資する。新工場はTMSCにとって台湾、中国の拠点に次ぐもの。連邦カルテル庁のムント長官は、「最近の地政学的な激変は、ドイツの産業界にとって半導体の安全な確保の重要性を示している」と指摘。ドイツも欧州連合(EU)も、多くの半導体メーカーが欧州とドイツに拠点を設けることを強く望んでいると述べた。
連邦カルテル庁は、自動車をはじめ多くの製品に使用されるマイクロコントローラーユニット(MCU)を中心に競争上の調査を行った。3社の新工場への参加により、他の顧客が半導体を入手できなくなる可能性に加え、他のファウンドリーが特定製品で顧客を獲得できなくなる可能性について調べた。その結果、いずれも懸念の必要はないと結論付けた。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。