ドイツの総合電機大手シーメンスは10月31日、米マイクロソフト(MS)と提携し、人工知能(AI)を活用して生産性を向上させるプロジェクトを発表した。製造業やインフラ関連、運輸業、ヘルスケア産業向けに、生成AIを構築することを目指す。
両社は手始めに、AIを搭載した生成アシスタント「シーメンス産業コパイロット」により、製造業における人間と機械のコラボレーションを強化する。これにより、顧客は複雑な産業用オートメーションシステムのコードを迅速に生成、最適化、修正でき、工場などでのシミュレーション時間を大幅に短縮することが可能だ。これまで数週間かかっていた作業を数分で処理することもできるという。自動車用の軸受けなどを手がけるドイツのシェフラー(Schaeffler)は、これをいち早く採用している。
また両社は、シーメンスの製品ライフサイクル管理ソフト「シーメンス・チームセンター(Teamcenter)」とMSのメッセージング・ビデオ会議アプリ「チームズ(Teams)」を統合した「チームセンター・フォー・マイクロソフト・チームズ」を12月から提供する。これにより、設計エンジニアと現場作業員、その他のチームなどの仮想コラボレーションが簡素化される。
シーメンスのローランド・ブッシュ最高経営責任者(CEO)は、「生成AIは企業の設計、開発、製造、運用の方法を変革する可能性を秘めている」と指摘。これを活用することで、コード開発を加速し、熟練労働者の不足にも対応できると述べている。
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