国際通貨基金(IMF)は10日に発表した世界経済見通しで、ユーロ圏20カ国の2023年の域内総生産(GDP)が前年比0.7%拡大するとの見方を示した。7月時点の前回予測から0.2ポイント引き下げている。ユーロ圏の主要国で明暗が分かれ、ドイツがマイナス成長に沈む一方、フランスやイタリア、スペインはプラスを確保すると予想する。
今年の成長率見通しを国別に見ると、ドイツはマイナス0.5%と、前回予測から0.2ポイント下方修正。一方、フランスは0.2ポイント引き上げて1%とした。イタリアは0.4ポイント下方修正し、0.7%の伸びを予想。スペインは前回と同様、2.5%の成長を見込む。
IMFはユーロ圏経済について、回復傾向にはあるものの、そのペースは米国より遅いと指摘。ウクライナ危機の影響が大きいことや、これに起因する貿易条件の悪化、エネルギーの輸入価格の高騰を背景に、GDPはコロナ禍前の水準をなお2.2%下回っているという。
一方で、ユーロ圏経済の成長率は来年には1.2%に加速すると予想。ただ、1.5%とした前回見通しからは引き下げた。
英国の今年のGDP成長率見通しは0.1ポイント引き上げ、0.5%とした。ただ、来年については0.4ポイント下方修正し、先進7カ国(G7)で最も低い0.6%にとどまるとみる。
世界経済全体の成長率は、今年は前回と同じ3%を予想。来年の見通しは2.9%と、0.1ポイント引き下げている。
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