欧州委員会は3日、先端半導体、人工知能(AI)、量子技術、バイオテクノロジーの4分野について、技術の流出や軍事転用を巡るリスク評価を行うと発表した。輸出規制などを視野に、欧州連合(EU)加盟各国と協力して年内の評価完了を目指す。
欧州委は、技術の影響力や軍事転用のリスク、人権侵害を引き起こす可能性といった基準から、これら重要技術を選出。先端半導体ではマイクロエレクトロニクスや半導体製造装置、AIでは高性能計算やクラウドおよびエッジコンピューティング、量子技術では量子コンピューティングや量子暗号、バイオ技術では遺伝子組み換えや新たなゲノム技術などに、それぞれ焦点を当てる。
EUはリスク評価に基づき、域内での生産への投資や他国との協力、輸出規制といった対応に向け動くとみられる。また、来年にはさらに、エネルギーやロボット工学、製造技術を含む6分野が評価の対象に加えられる可能性がある。
ヨウロバー欧州副委員長(価値観・透明性担当)は、「テクノロジーは現在、地政学的な競争の中核を成している」と指摘。EUが競争の場でなく競争への参加者となるためには、共通のリスク評価に基づいて結束することが必要だと述べている。[EU規制]
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