英国の北海移行局(NSTA)は27日、英領北海にあるローズバンク(Rosebank)油田の開発計画を承認したと発表した。同油田の可採埋蔵量は推定5億バレルで、政府はエネルギー安全保障の強化につながるとしているが、環境保護団体などは新たな石油・ガス田の開発はネットゼロ目標に逆行すると批判している。
同油田はシェトランド諸島の沖合約130キロメートルに位置する。権益は石油・ガスでノルウェー最大手のエクイノールが80%、残り20%は英国のイサカ(Ithaca)・エナジーが握る。両社は開発に約38億ドルを投じており、2026~27年の生産開始を見込む。
当局は今回、プロジェクトの承認に当たっては環境アセスメントなど広範な調査を行っており、ガイダンスに従って油田のライフサイクル全体を考慮した上で判断を下したと説明。政府は、「北海での石油・ガスの生産はエネルギー安全保障の維持に加え、ロシアのウクライナ侵攻で引き起こされたエネルギー危機の再発を防ぐ上で重要」と述べている。また、新規プロジェクトは環境負荷の軽減に向けた対策が講じられており、従来の開発より排出量は大幅に削減されるという。
英領北海の石油・ガス生産量は20年前から減少傾向にある。一方で、政府は石油・ガス産業は約20万人の雇用を支え、年間170億ポンドの経済効果をもたらすとしている。
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