英中銀イングランド銀行は21日、20日に開いた金融政策委員会(MPC)で政策金利を5.25%に据え置くことを決めたと発表した。据え置きは2021年11月以来、15会合ぶり。8月のインフレ率が過去1年半で最低を記録したことを受けて、利上げサイクル終了に踏み切った。
議事録によると、金融政策委員9人のうち5人が据え置きを支持。4人は5.5%への利上げを主張した。
中銀は、8月のインフレ率が6.7%に低下し、前回会合時の予想を0.4ポイント下回ったと指摘。今後もエネルギーや食品などの物価上昇率の減速を受け、短期的にはインフレ率がさらに大きく低下すると見込む。ただし、持続的なインフレ圧力が確認されればさらなる金融引き締めも必要だとしている。
中銀のベイリー総裁は、インフレは過去数カ月、減速を続けており、これが続くと考えられると説明。ただし慢心する余地はなく、インフレ率の正常化に向け必要な判断を続けるとしている。
中銀は国内経済について、今年第3四半期(7~9月)の国内総生産(GDP)成長率が0.1%にとどまるとの見通しを示し、前回予想の0.4%から引き下げた。今年後半の基調的な成長もこれまでの予想より鈍くなると見込んでいる。
量的緩和策で買い入れた英国債については、償還と売却により向こう1年間で1,000億ポンド減らして6,580億ポンドにすることを全会一致で決定した。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。