ドイツ経済研究所(IW)は15日、上半期(1~6月)の中国からの自動車・自動車部品の輸入が前年同期比75%拡大したと明らかにした。一方、ドイツから中国への自動車関連輸出は21%の伸びにとどまっている。
中国の自動車メーカーは現時点で8社がドイツに進出しているが、市場シェアは合わせて1.5%に過ぎず、輸入拡大の背景には、世界の自動車メーカーが中国での生産を増やしていることがあるという。例えば、ドイツの高級車大手BMWは電気自動車(EV)「iX3」を中国で生産するが、同モデルは上半期の輸入の伸びの一翼を担っている。
IWは、ドイツの自動車大手は以前から中国への生産移管を進めてきたが、最近は高級車についても同様の動きが見られると指摘。ドイツが強みを持つ高級車の輸出が脅かされていると警鐘を鳴らしている。
一方、ドイツ自動車工業会(VDA)のヒルデガルト・ミュラー会長は8月、ドイツの自動車メーカーは車両の電動化や自動運転などで開発コストがかさむのに対し、市場では先行き不透明感が拭えず、厳しい状況に置かれていると述べた。
自動車生産では、中国だけでなくアジア地域全体が勢いを増している。昨年の世界生産のうちアジアは6割近くを占め、2000年の31%から大きくシェアを伸ばした。
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