ソフトバンクグループ傘下の英半導体チップ設計大手アーム・ホールディングスは14日、米ナスダック市場に上場した。旺盛な需要を受け公開価格は仮条件の上限となる1株当たり51ドルに設定。これに基づく時価総額は523億ドルと、今年最大の新規株式公開(IPO)案件となった。
売り出し規模は9,550万株で、事前の応募倍率は5倍以上に達した。今回アーム株9.4%を放出したソフトバンクは、約49億ドルを調達。上場後も90.6%を保持するが、オーバーアロットメントオプションが行使された場合、出資比率は89.9%となる。
アームの半導体設計技術は、世界人口の7割が使用する製品に用いられているとされる。同社の技術を採用する米アップルやグーグル、半導体大手エヌビディア、インテルなど10社は、合わせて最大7億3,500万ドル相当のアーム株を購入する意向を示していた。
ソフトバンクは8月、アームの企業価値を約640億ドルと評価して傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンド1(SVF1)からアーム株25%を買い取り。IPOに当たり時価総額は最大700億ドルに上ると見込んでいた。だが、アームの売上高が横ばい続きで直近の四半期は利益が半減したことや、中国でのリスク要因を背景に、投資家からは懸念が示されていた。[日本企業の動向]
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