英国は2030年までの低炭素発電容量の拡大ペースで、世界の主要国を下回る――。エネルギー業界団体のエナジーUKが英経済研究機関オックスフォード・エコノミクスに委託した調査で、こうした事実が明らかになった。米国や欧州連合(EU)が大規模なグリーン投資支援を打ち出す中、英国への民間投資が伸び悩むためとしている。
同調査によると、英国の再生可能エネルギーおよび原子力発電施設の設置容量は、23~30年に2.9%拡大する見通し。これは、調査対象となった9カ国の中で最下位に位置する。首位はインドで10.6%、これに中国(7.2%)、米国(6.4%)、ドイツ(5.8%)が続く。日本は3.1%で7位だった。
英国は現時点の再生可能エネルギー発電容量でも他国に後れを取る。22年の人口1人当たりの設置容量は0.9キロワットと、ドイツとフランス(共に1.8キロワット)の半分にとどまり、米国と日本(共に1.3キロワット)をも下回っている。
調査では「発電システムの脱炭素化には多大な投資が必要だが、厳しい財政状況を考えると民間投資の促進が不可欠」と指摘。米国やEUなど世界各地で英国を上回る投資誘致策が導入される中、政府と民間企業、市民社会が協調して脱炭素化に取り組む必要があるとしている。[環境ニュース]
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