イングランド南西部コーンウォール州でリチウム採鉱を目指す新興企業コーニッシュ・リチウムは8日、国営の英国インフラ銀行を含む機関投資家グループから、6,700万ドルの資本を確保したと発表した。インフラ銀が、株式取得を通じて企業に直接投資を行うのは初めて。これにより、国産リチウムの商業生産計画を加速させることが可能となった。
今回の取引は、最大2億1,000万ドル規模の資金調達パッケージの第1弾となる。インフラ銀は今回、リチウムのサプライチェーン(供給網)構築に向け、およそ2,400万ポンドを投資。米国のプライベートエクイティ(PE)企業EMGも同額を提供した。コーニッシュの筆頭株主で、重要鉱物への投資を手がけるテックメット(TechMet)は700万ドルを追加投資し、コーニッシュへの出資総額は合わせて3,000万ドルに達した。
英国は現在、リチウムを生産しておらず、その大半をオーストラリアとチリに依存している。電気自動車(EV)用バッテリーの需要が膨らむ中、コーニッシュは、バッテリー原料として使用できる品質の水酸化リチウムを年間8,000トン生産したい考えで、2026年の供給開始を目指している。
商業生産が始まれば、同社は従業員数を現在の70人から300人以上に増員する予定。コーニッシュが開発するリチウム鉱山の寿命は20年を見込み、この間の地場産業などへの経済効果は8億ポンドに上る見通しだ。
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