ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は8日、ドイツ東部ドレスデンに欧州初の工場を建設する計画が取締役会の承認を得たと発表した。来年後半に建設を始め、2027年末までの生産開始を目指す。
新工場では直径300ミリメートルのウエハーを生産する。生産能力は1カ月当たり4万枚で、2,000人の雇用創出が見込まれている。
TSMCは工場建設に向け、独自動車部品大手ロバート・ボッシュ、半導体大手インフィニオンテクノロジーズ、オランダのNXPセミコンダクターズと事業会社を設立する。新会社の名前はヨーロピアン・セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(ESMC)で、出資比率はTSMCが70%、残り3社はそれぞれ10%となる。
TSMCの取締役会は今回、ESMCに最大35億ユーロを出資することを承認した。これ以外では、ドイツ政府が最大50億ユーロを拠出する方針とされる。合弁に参加する各社の出資や借り入れを含め、投資総額は100億ユーロを超える見通しだ。
TSMCは米アリゾナ州と熊本県で工場建設を進めている。同社にとってドレスデンの拠点は、台湾と中国以外では3カ所目の海外工場となる。
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