ドイツ政府は12日、水素パイプライン網敷設計画の草案を公表した。国内各地の工業地帯に水素を供給し、炭素排出量を削減する狙い。7月28日まで意見公募を実施した上で、最終案を策定する。
この草案は、送ガス系統事業者の業界団体FNBガスが作成したもの。総延長1万1,200キロメートルのパイプラインで、西部ライン川流域や東部、南部の工業地帯と水素の生産・貯蔵施設や輸入拠点を接続するとしている。特に、鉄鋼、セメント、ガラスなどのメーカーが集中する西部に重点が置かれている。
この計画では、309件の水素生産プロジェクトが水素供給源として考慮されており、これにアンモニアとして輸入される水素を加えて、87ギガワット相当の水素を供給するとしている。
経済・気候保護省は、今回の草案公表が水素経済の確立に向けた「スタートの合図」になるとしている。ドイツは2045年までに炭素排出量を実質ゼロ化することを目指しており、水素の活用をその重要な手段とみなしている。[環境ニュース]
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