イタリアの石油大手エニは23日、ノルウェー子会社ボル・エナジー(Vaar Energi)と共同で英同業ネプチューン・エナジーを買収すると発表した。取引額はネプチューンの価値を負債も含めて約49億ドルと評価した水準で、2024年第1四半期(1~3月)の完了を見込む。
ネプチューンは西欧と北アフリカ、インドネシア、オーストラリアで天然ガスを中心に事業を展開する。インドネシアではエニと共同でプロジェクトを進めている。ネプチューンは今回の取引に先立ってドイツ事業を切り離し、その後にボルがノルウェー事業、エニがノルウェー以外の事業を取得する取り決めだ。評価額はノルウェー事業が23億ドル、残り事業は26億ドルに上る。
取得対象となる資産の石油・ガスの生産量は石油換算で日量13万バレル前後。うちエニが取得する事業の生産量は2024~26年は日量10万バレル超が見込まれ、7割以上が天然ガスとなる。一方、ボルが取得する事業の生産量は昨年時点で日量5万8,000バレルで、天然ガスの割合は58%としている。
エニは30年までに生産量に占める天然ガスの割合を60%に高める目標を掲げる。クラウディオ・デスカルツィ最高経営責任者(CEO)はネプチューンの買収について、「炭素集約度の低い資産の取得は戦略的な動きで、既存事業を補完することができる」とコメントしている。なお、エニはボルに63%出資する。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。