ドイツ鉄鋼連盟は10日、6月の粗鋼生産量が372万9,000トンとなり前年同月比4%減少したと発表した。1~6月の累計では1年前から5.7%減っている。
鉄鋼連盟はユーロ圏債務危機の影響で景気の不透明感が増していることから、夏休み明けに通期の生産量予測を引き下げる可能性を示唆している。これまでは昨年の4,430万トンからほぼ横ばいの4,400万トンとしていた。
鉄鋼業界では今年初めに予想されていた需要回復の兆しが見られず、各社は依然として稼働率を下げている。経済紙ベルゼン・ツァイトゥングによると、国内最大手のティッセンクルップは時短労働の導入を検討しているほか、2位のザルツギッターは6月末に粗鉱生産部門が通期で損失を計上するとの見方を明らかにした。またドイツに複数の製鉄所を持つ世界最大手アルセロール・ミタル(ルクセンブルク)は、人員削減をめぐり労組との協議を開始している。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。