欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは8日、2023年第1四半期(1~3月)のユーロ圏20カ国の実質域内総生産(GDP、季節要因・稼働日数調整済み、改定値)成長率が前期比マイナス0.1%だったと発表した。2次速報値から0.2ポイント下方修正されたことで、2四半期連続でのマイナス成長となり、リセッション(景気後退)入りした。落ち込み幅は22年第4四半期から横ばいだった。
家計最終消費支出は0.3%減り、落ち込みが前期の1%から緩和。政府最終消費支出は1.6%縮小したが、投資を示す総固定資本形成は0.6%上向いた。貿易は輸出が0.1%、輸入が1.3%それぞれ減少している。
GDP成長率を国別に見ると、ドイツはマイナス0.3%となったが、落ち込みは22年第4四半期の0.5%から減速。フランスは0.2%で、前期のゼロ%からプラスを回復した。イタリアは22年第4四半期のマイナス0.1%から、0.6%のプラスに転じた。スペインは0.5%と、伸びが前期から0.1ポイント加速している。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比で1%拡大。2次速報値から0.3ポイント下方修正され、伸びは22年第4四半期の1.8%から減速した。EU27カ国全体では前期比で0.1%増え、年率では1%拡大している。
欧州委員会は5月に発表した春季経済見通しの中で、今年のユーロ圏のGDPが前年比1.1%拡大するとの予測を示した。2月の冬季見通しから0.2ポイント上方修正している。来年の成長率は1.6%と、前回予測から0.1ポイント引き上げた。
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