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4月は過去3年弱で最低 ユーロ圏製造業PMI=確定値

米国の金融情報サービス大手S&Pグローバルは2日、4月のユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数、確定値)が45.8になったと発表した。速報値から0.3ポイント上方修正されたものの、前月からは1.5ポイント低下。過去35カ月で最低を記録した。景気の「改善」と「悪化」の境目である50は10カ月連続で下回っている。

調査対象国のうち、ギリシャは52.4に低下。スペインは過去3カ月で最も低い49だった。アイルランドは48.6で、35カ月ぶりの低水準。イタリアは過去6カ月で最低の46.8に沈んだ。オランダは44.9、オーストリアは42と、いずれも過去35カ月で最も低い。

ユーロ圏経済をけん引するドイツは44.5と、速報値から0.5ポイント引き上げられたが、前月からは0.2ポイント低下。2020年5月以降で最低となった。生産高の伸びは昨年5月以降で最も大きい。新規受注の落ち込みペースは過去11カ月で最も緩やかだった。雇用の増加幅は過去26カ月で最も小さい。

フランスは45.6と、速報値から0.1ポイント上方修正されたが、前月からは1.7ポイント低下。生産高の縮小幅は20年5月以降で最も大きい。新規受注は輸出向けが大きく落ち込み、全体でも減少している。

ユーロ圏製造業PMIのサブ指数を見ると、生産高は1月以降で初めて減少。新規受注の縮小ペースは過去4カ月で最速だった。仕入れ価格の下落幅は過去3年弱で最も大きい。出荷価格の上昇ペースは20年11月以降で最も減速した。

ハンブルク商業銀行(HCOB)のサイラス・デラルビア首席エコノミストは、原材料の納期短縮はサプライチェーン(供給網)の正常化を示唆するとした半面、需要の減少に懸念を表明。また、製造業の仕入れ価格や出荷価格の高騰は落ち着いてきているものの、4月のサービス業PMI速報値などのデータを見る限り、サービス分野の価格上昇圧力は依然として大きく、欧州中央銀行(ECB)が金融引き締めの姿勢を緩められる理由はないとしている。

■英もやや低下

S&Pグローバルによると、4月の英国の製造業PMIは47.8となり、前月から0.1ポイント悪化。速報値からは1.2ポイント上方修正されたが、景気の「改善」と「悪化」の境目である50は9カ月連続で下回った。生産高は2カ月連続で縮小。新規受注は減少に転じた。雇用は7カ月連続のマイナスとなった。


関連国・地域: EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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