• 印刷する

航空燃料グリーン化で合意 EU、50年までに70%をSAFに

欧州議会と欧州連合(EU)理事会は18日、EU域内の空港で使用される航空燃料を大幅にグリーン化する法案で暫定的に合意した。持続可能な航空燃料(SAF)の割合を2050年までに70%に引き上げるよう義務付けている。

域内の空港に航空燃料を供給する企業は、SAFの割合を25年までに2%、30年までに6%、35年までに20%にそれぞれ拡大し、50年に70%とすることが求められる。SAFには「eフューエル」と呼ばれる合成燃料や、一部のバイオ燃料および水素が含まれる。

このうちeフューエルについては、燃料全体に占める比率を30年までに1.2%、32年までに2%、35年までに5%とし、50年には35%とすることを義務付けている。eフューエルは、再生可能エネルギー由来の電力で水を分解して生産したグリーン水素を炭素と結合させて作り出す合成燃料のことで、「パワー・トゥ・リキッド(PtL)」とも呼ばれる。

バイオ燃料は、農産物や木材、藻類、生物系廃棄物、使用済み調理油、一部の動物脂肪を原料とする。ただし、飼料・食料向けの作物や、パーム油、大豆を原料とするバイオ燃料は、SAFとして認められない。水素はグリーン水素に限り、SAFとして認定される。

この法案は、EUの温室効果ガス排出量を30年までに対1990年比で55%削減する目標に向けた政策パッケージ「フィット・フォー55」の一環で、欧州委員会が21年7月に公表していた。同法案は今後、欧州議会とEU理事会で正式な承認を得て成立する見通し。

ロイター通信によると、フランス・オランダ資本の航空大手エールフランスKLMなど一部の航空会社は既に、同法案を上回るSAF使用目標を自主的に打ち出している。一方、域外発の長距離便向けの燃料には目標が適用されないため、競争にゆがみが生じると懸念する声もある。[環境ニュース][EU規制]


関連国・地域: EU
関連業種: 化学運輸天然資源マクロ・統計・その他経済

その他記事

すべての文頭を開く

ユニクロ、ポーランドに初の常設店=今秋(05/10)

北マケドニア議会選、野党が勝利(05/10)

欧州委、クロアチアのLNG基地拡張を支援(05/10)

中国・習主席、ハンガリー訪問(05/10)

【欧州航空・鉄道論】今やEVやFCVが主流=2階建てバス会社を訪ねて(05/10)

中国EV関税、7月開始も EU暫定導入か=業界は報復懸念(05/10)

EU、露凍結資産の利子でウクライナ支援(05/10)

中国・BYD、欧州2カ所目の工場建設も(05/10)

【欧州における日本企業の動向】4月1~30日(05/10)

【EU規制ウオッチング】4月1~30日(05/10)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。

の記事は有料サービスご契約者様限定記事です。契約すると続きをお読みいただけます。契約されている方は、画面右側にある各種ログインからログインください。
無料トライアルはこちら
購読申し込みはこちら

NNAからのご案内

各種ログイン