ドイツのエネルギー大手ユニパー(Uniper)や英国の石油大手BP、オランダ国営の送ガス会社ガスニー(Gasunie)など7社は25日、ドイツ西部を縦断する水素回廊の敷設に向けた企業同盟を結成した。北西部ニーダーザクセン州のウィルヘルムスハーフェン(Wilhelmshaven)港で輸入・生産された水素を西部ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州の工業地帯に輸送する狙い。
企業同盟にはこのほか、ドイツの送ガス会社ノウェガとティッセンガス、原油パイプライン運営会社NWO、鉄鋼大手ザルツギッター(Salzgitter)が参加する。
ユニパーとBPはそれぞれウィルヘルムスハーフェン港で、グリーン・アンモニアの輸入・再水素化施設や洋上風力発電を利用したグリーン水素生産施設の建設を計画中で、欧州連合(EU)に補助金を申請中。
ガスニーとティッセンガスは、同港と西部ケルンの化学産業地帯を結ぶ総延長400キロメートルの水素パイプラインの敷設を計画しており、やはりEUの補助金を申請している。
ザルツギッターは、ニーダーザクセン州ザルツギッターの本社工場を水素燃料を利用した低炭素鉄鋼の生産拠点に転換する「SALCOS」プロジェクトを進めており、先に連邦政府から約7億ユーロ、同州から約3億ユーロの補助を獲得した。
企業同盟は、これらのプロジェクトを連携させるとともに、ノウェガとNWOの既存パイプラインを水素パイプラインに転用することにより、ウィルヘルムスハーフェン港から西部工業地帯に至る「南北水素回廊」を構築することを目指す。[環境ニュース]
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