米国の金融情報サービス大手S&Pグローバルは21日、4月のユーロ圏の総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が54.4となったと発表した。3月から0.7ポイント改善し、過去11カ月で最高を記録。景気の「改善」と「悪化」の境目である50を、4カ月連続で上回っている。
ユーロ圏の製造業PMIは45.5と、前月から1.8ポイント低下。生産高は減少に転じ、新規受注は過去4カ月で最大の縮小幅となった。
製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは44と、前月から0.7ポイント低下。過去35カ月で最も低い。フランスは1.8ポイント下がって45.5だった。
ユーロ圏総合指数のうち、仕入れ価格の上昇ペースは2021年2月以降で最も緩やかとなったものの、なお高水準にある。出荷価格の伸びは過去2年で最小となった。事業見通しはわずかに低下したものの、高水準を維持。雇用の増加幅は、過去11カ月で最大となった。
■サービス業も改善
ユーロ圏のサービス業PMIは56.6と、前月から1.6ポイント上昇。国別ではドイツが55.7と、前月から2ポイント上向いた。過去12カ月で最も高い。フランスは2.4ポイント上がり56.3と、過去11カ月で最高となった。
ハンブルク商業銀行(HCOB)のサイラス・デラルビア首席エコノミストは今回の結果について、「回復を続ける経済に対する非常に友好的なイメージを表している」とコメント。一方で、サービス業の成長と製造業の低迷の開きが、さらに広がっていることに懸念を示した。
■英も上昇
4月の英国の総合PMI(速報値)は53.9。前月から1.7ポイント上昇し、3カ月連続で分岐点を上回った。新規受注は増加。雇用の伸びは過去6カ月で最大だった。
製造業PMIは46.6で前月から1.3ポイント低下。サービス業PMIは2ポイント上がり54.9となった。
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