米国のインターネット検索エンジン大手グーグルの親会社アルファベットは20日、人工知能(AI)研究部門のグーグル・ブレーン・チームと英国のAI子会社ディープマインドを統合し、新会社グーグル・ディープマインドを創設すると発表した。組織統合により、後れを取る生成AIの分野で巻き返しを狙う。
アルファベットとグーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は、「AIはかつてないペースで進化している」とした上で、今回の統合によって「より高性能なシステムをより安全に責任をもって構築できる」と述べた。
グーグル・ディープマインドのCEOは、ディープマインドのデミス・ハサビスCEOが務める。一方、ブレーン・チームを率いてきたジェフ・ディーン氏は、グーグルの研究部門とグーグル・ディープマインドのチーフ・サイエンティストに就任する。
グーグルは2014年、AIプログラム「アルファ碁」で知られるディープマインドを買収。それ以来、ロンドンに拠点を置く同社と米シリコンバレーで機械翻訳などに取り組んでいたブレーン・チームは競合関係にあった。今回の統合で、ディープマインドのグーグル本体への統合が完了することになる。
グーグルは今後、AI事業の軸足をインターネット事業に直接応用できるAIモデルの開発に移す計画だ。背景には、米国の新興企業オープンAIが開発したチャットボット(自動応答システム)「チャット(Chat)GPT」がグーグルの検索エンジン事業を脅かしていることがある。
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