英政府は17日、スマート高速道路の新設計画を中止すると発表した。コスト面の問題と、安全性への懸念を受けたもの。スマート高速道路では渋滞を緩和するため、速度制限や路肩の活用で交通の流れを管理し、既にイングランドの高速道路網の10%に導入されている。
スマート高速道路には路肩が常設されるコントロール型と、混雑時に路肩を追加車線として開放するダイナミック型、路肩を常用車線とする全車線走行型がある。だが、路肩に停車中の車両への追突事故で死者が出るなど、安全性に懸念が寄せられている。
政府は昨年1月、安全性評価のため全車線走行型スマート高速道路の拡張計画11件を一時停止。今回は、進行中だった別の3件と合わせ、14件の計画を取り下げた。
政府は高速道路の管理当局と共に、既存のスマート高速道路の安全性改善に向け9億ポンドの投資を続けると説明した。全ての全車線走行型スマート高速道路に停止車両検知技術を導入するほか、2025年までにネットワーク全体で150カ所の緊急停止場所を追加するとしている。
なお、スナク首相は昨年の与党・保守党党首選で、全車線走行型スマート高速道路の新設計画中止を公約していた。自動車協会(AA)は今回の決定を歓迎しながらも、既存のスマート高速道路に常設の路肩を戻すための訴えを続ける意向を示している。
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