ドイツのハーベック副首相兼経済・気候保護相とフランスのルメール経済・財務・復興相は7日、米ワシントンで同国のイエレン財務長官およびレモンド商務長官と会談し、北米生産の電気自動車(EV)を優遇する米国のインフレ抑制法(IRA)について協議した。独仏側は、IRAが欧州連合(EU)企業に及ぼす影響を懸念。具体的な解決策の提案には至らなかったが、優遇措置を巡る透明性を確保することで米国と合意した。
独仏米は、補助金と税額控除の水準について、必要であればEUがこれに合わせられるよう全面的に透明性を保つことで合意。これに向け、既存のタスクフォースの下に専門部会を立ち上げる。
ルメール氏は、IRAの運用に当たりできるだけ多くのEU部品を含めるべきだと主張。ハーベック氏は、欧州と米国の提携関係が「補助金を巡る競争」になることは避けるべきだとしている。
3カ国はこのほか、バッテリー原料の鉱物について中国など特定の国への依存を避けるための取り組みの模索や、EU・米貿易・技術評議会(TTC)でグリーン製品の共通基準を設けることなどで合意した。
米国では昨年8月にIRAが成立し、気候変動対策分野で3,690億ドルの支援が予定される。EVの税額控除の条件として北米での組み立てを求めており、EUは域内の自動車産業が脅かされると懸念している。[環境ニュース]
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