国際通貨基金(IMF)は1月31日に発表した世界経済見通しで、ユーロ圏19カ国の2023年の域内総生産(GDP)が前年比0.7%拡大するとの見方を示した。エネルギー卸売価格の下落や、エネルギー価格抑制や現金給付などの追加支援策を受け、昨年10月時点の前回予測から0.2ポイント上方修正した。一方、英国経済は0.6%縮小すると予想。主要国で唯一、マイナス成長の見通しとなった。
ユーロ圏主要国の今年の成長率予測を見ると、ドイツは0.1%と、前回予測から0.4ポイント上方修正。フランスは0.7%と前回見通しを維持した。イタリアは0.8ポイント上方修正し、0.6%の伸びを見込む。スペインは1.1%と、0.1ポイント引き下げた。
来年のユーロ圏の成長率見通しは1.6%と、前回予想から0.2ポイント引き下げている。
英国の今年のGDP成長率見通しは、財政・金融引き締めやエネルギー価格高騰による家計への打撃などを背景に、前回予想の0.3%から大きく0.9ポイント下方修正。来年については0.9%と、0.3ポイント引き上げた。
世界経済の今年の成長率は、2.9%になると予想。政策金利の引き上げやロシアのウクライナ侵攻の影響で22年と比べ鈍化するとしながらも、多くの国で予想を上回る回復力が見られたことで前回予測から0.2ポイント上方修正した。来年の見通しは3.1%と、0.1ポイント引き下げた。
IMFは、依然として下振れリスクはあるものの、昨年10月時点より和らいだと指摘。繰り延べ需要やインフレの減速を上振れリスクとする一方、ウクライナ情勢の悪化や金融環境の引き締めなどを下振れリスクに挙げている。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。