ドイツとオーストラリア両政府は27日、「独豪水素イノベーション・テクノロジー・インキュベーター(HyGate)」の下で行う共同プロジェクト4件を発表した。それぞれ最大で5,000万ユーロと5,000万豪ドル(3,600万ドル)を拠出する。
HyGateは、両国が2021年6月に締結した、再生可能エネルギー由来のグリーン水素事業で協力する協定に基づくもの。両国間でのグリーン水素のサプライチェーン(供給網)構築に向けたプロジェクトに資金を提供する。
4件のうち、オーストラリアの集光型太陽熱発電(CSP)開発会社バスト・ソーラーとソーラー・メタノール・コンソーシアムは、それぞれ1,948万豪ドルと1,320万ユーロの補助金を獲得した。南オーストラリア州ポート・オーガスタで、メタノール生産用のグリーン水素を製造する10メガワットの電気分解装置を開発する。
また、オーストラリアの新興水素技術企業Hysataは898万豪ドルを獲得。同社はドイツの国立研究開発機関フラウンホーファー生産技術研究所と共同で、ニューサウスウェールズ州ポートケンブラにおいて、低コストの水素を供給する新たな電気分解装置を開発する。
両国が21年6月に締結した協定では、ドイツの水素関連技術をオーストラリアに提供し、現地で生産したグリーン水素を輸入する計画となっている。昨年5月には、ロシア産化石燃料への依存を断つ必要性が強まったことから計画を前倒しし、30年までにグリーン水素の供給を開始する方針を示していた。[環境ニュース]
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