英国の送電大手ナショナル・グリッドは、23日夕方に電力消費量の削減に協力したイングランドとウェールズ、スコットランドの一部世帯に対して、奨励金を支払うと発表した。最大100万世帯が対象となる見通し。この施策は昨年冬に試験導入されていたが、本格的な運用は初となる。年初から英国を襲う寒波によりエネルギー需要が増えたことで、停電を回避するための措置の一環。同社の発表を元に、BBC電子版などが伝えた。
この施策には電力サプライヤー26社が参加する。対象となるのは、供給元がこのサプライヤーに該当し、かつスマートメーターを使用する世帯。23日の午後5~6時の間、電力使用量を削減すれば、数ポンド~20ポンド程度が支払われる。
同社は今回の措置について、電力供給が逼迫(ひっぱく)しているわけではなく、あくまで「需要と供給をより良い水準に引き上げるためのもの」と説明している。
同社は22日、翌日の電力需要の急伸に備え、イングランド中東部ノッティンガムシャー州の発電所「ウェストバートンA」の1基と、イングランド北部ヨークシャー州にあるドラックス発電所の2基について、発電の準備をするよう要請していた。ただ、実際には稼働に至らなかった。
3基とも昨年9月に運転を停止する予定だったが、政府が緊急用の電力源として待機状態を維持することで、ナショナル・グリッドと契約していた。
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