世界銀行は10日に発表した世界経済の成長見通しの中で、今年のユーロ圏の域内総生産(GDP)成長率がゼロ%にとどまるとの見方を示した。エネルギー危機と予想を上回る金融引き締め策を背景に、昨年6月時点の予測から1.9ポイント引き下げている。
2022年のユーロ圏GDP成長率(推定値)は3.3%と、前回予測を0.8ポイント上回った。世銀はこの理由について、昨年前半の経済活動が予想を上回ったためとしている。ただ昨年後半からは、エネルギーの価格高騰と供給不安、資金調達コストの上昇を受け経済活動が著しく低下したと指摘。ユーロ圏GDPは23年前半に縮小した後、年後半に安定するとみている。
ユーロ圏GDPは24年には1.6%増に回復する見通し。
欧州・中央アジアの22年のGDP成長率は0.2%のプラスとなり、予想を3.2ポイント上回った。23年の成長率見通しは0.1%と、1.4ポイント下方修正している。うちロシアは3.3%縮小する見通し。トルコは2.7%の伸びを見込んでいる。
世界経済の今年の成長率は1.7%となり、前年の2.9%から減速すると予測。昨年6月時点の予測と比べ1.3ポイント下方修正している。インフレ加速と金利上昇、投資縮小、ロシアのウクライナ侵攻による混乱を背景に、世界経済は急速に縮小しているとし、24年の成長率見通しも2.7%と、前回から0.3ポイント引き下げている。
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