米国の金融情報サービス大手S&Pグローバルは4日、2022年12月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、確定値)が49.3となったと発表した。速報値から0.5ポイント引き上げられ、11月からは1.5ポイント上昇。過去5カ月で最高となったが、景気の「改善」と「悪化」の境目である50は6カ月連続で下回っている。
調査対象国のうち、ドイツは49と速報値から0.1ポイント引き上げられ、11月からは2.7ポイント上昇。過去6カ月で最も高い。フランスは49.1と速報値から1.1ポイント上方修正され、前月からは0.4ポイント上向いた。イタリアは49.6、スペインは49.9にそれぞれ上がった。
ユーロ圏総合指数のうち、新規受注の縮小幅は22年7月以降で最小となり、輸出向けの落ち込みペースは過去4カ月で最も緩やかだった。雇用の拡大幅は過去21カ月で最小となった前月からほぼ変化がなかった。仕入れ価格の上昇ペースは過去19カ月で最も緩やかで、出荷価格の伸びは1年ぶりの低水準だった。事業見通しは過去4カ月で最高となっている。
■サービス業も改善
ユーロ圏のサービス業PMIは49.8と、速報値から0.7ポイント引き上げられ、前月からは1.3ポイント上昇した。過去4カ月で最も高い。
国別では、ドイツが49.2と、速報値からは0.2ポイント引き上げられ、前月から3.1ポイント上昇。過去5カ月で最高となった。新規受注の落ち込み幅は前月からやや縮小。雇用は30カ月連続で拡大している。
フランスは49.5と、前月から0.2ポイント上昇。2カ月連続で分岐点を下回った。新規受注は2カ月続けて減り、雇用は過去2年伸びが続いている。イタリアは49.9と前月から0.4ポイント上昇。スペインは0.4ポイント上がり51.6となった。
S&Pグローバルの上級エコノミスト、ジョー・ヘイズ氏は今回の結果を受け、「ユーロ圏経済は引き続き低迷しているものの、2カ月連続の改善は、景気後退の度合いが当初の予想よりも緩やかなものになる可能性を示唆している」とコメント。一方で、ユーロ圏経済がすぐに安定基調に回帰する可能性を示す材料はほぼ見当たらないとしている。
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