米国の金融情報サービス大手S&Pグローバルは2日、2022年12月のユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数、確定値)が47.8になったと発表した。速報値から変化はなく、前月からは0.7ポイント上昇。過去3カ月で最高となったものの、景気の「改善」と「悪化」の境目である50は6カ月連続で下回っている。
調査対象国のうち、オランダは48.6で、過去3カ月で最も高い。イタリアは過去5カ月で最高の48.5だった。オーストリアは47.3、スペインは46.4と、共に3カ月ぶりの高水準となった。一方、ギリシャは47.2と、過去24カ月で最も低い。
ユーロ圏経済をけん引するドイツは47.1と、速報値から0.3ポイント引き下げられたが、前月からは0.9ポイント上昇。過去3カ月で最高となった。生産高の減少幅は6月以降で最も小さかった。新規受注は9カ月連続で縮小。雇用の増加ペースは過去22カ月で最も緩やかだった。
フランスは49.2と、速報値から0.3ポイント上方修正され、前月からは0.9ポイント上昇。過去4カ月で最高となった。生産高と新規受注は共に7カ月連続で縮小したが、減少ペースは改善した。
ユーロ圏製造業PMIのサブ指数を見ると、生産高は7カ月連続で減少したものの、落ち込み幅は6月以降で最も小さかった。新規受注は引き続き減少。仕入れ価格と出荷価格の上昇ペースはそれぞれ20年11月、21年3月以降で最も緩やかとなった。
S&Pグローバルのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは、インフレ圧力の著しい緩和や、サプライチェーン(供給網)の混乱とエネルギー危機への懸念が和らいだことで、ユーロ圏製造業の見通しは明るくなっていると指摘。また、23年の見通しは22年8月ぶりに楽観的な領域へと回復し、景況感が着実に改善していることを示唆すると説明した。
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