欧州連合(EU)は19日、エネルギー相会合を開き、欧州の天然ガス価格の指標となるオランダTTF先物価格に1メガワット時当たり180ユーロの上限を設けることで合意した。来年2月15日から適用する。上限設定を巡っては加盟国間ですれ違いが続いていたが、欧州委員会が先に提案した同275ユーロを大きく下回る金額で妥結。供給などにリスクが生じる場合に適用を停止する措置が盛り込まれたことで、上限設定に懸念を示していたドイツも賛成に回った。
上限価格は、1年間の時限措置。TTFの翌月物が3営業日にわたり1メガワット時当たり180ユーロを上回った上で、世界の液化天然ガス(LNG)価格指標より同35ユーロ以上高い場合に発動され、最低20営業日適用される。
ただし、エネルギー供給安全保障や金融安定性、EU内のガス流通に対する危機や、ガス需要増加のリスクが確認された場合に停止を可能とする措置も盛り込まれた。1カ月以内にガス需要が15%増加した場合や、LNG輸入量が激減した場合などが対象となる。
報道によると、今回の投票で反対票を投じたのはハンガリーだけで、かねて上限設定に反対していたオランダとオーストリアは棄権した。オランダのイェッテン気候・エネルギー政策相は依然として、今回の措置によるエネルギー市場の混乱や欧州のエネルギー安全保障に懸念を示している。[EU規制]
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